松崎琴美の言葉には力がある。彼女の発する言葉の世界に惹かれていたぼくは、ある時からTwitterを使って、彼女のつぶやきや会話の一部を書き取り発信するようになった。そうしないと、面白いと思っても言葉の飛躍するスピードに追いつけず忘れてしまうからだ。周りで発せられた単語や、彼女の記憶のボキャブラリーが、彼女の中で火花のようにつながって放たれるとき、俳諧の世界でいわれる「二物衝撃」(異なるものが衝き合わさることによって、全く別な情緒が発見されること)なるものが思い出される。たとえ涙を流している時でも、彼女は自身の発した言葉に自ら笑っている。そんなこっけいな泣き笑いは、自分の腹に生じる感情となんとかやりあおうとする彼女の術でもあるのだろうか。彼女の言葉に触れるとき、ぼくもまたかなしく笑ってしまうのだ。
(ササキユーイチ)
場所:たけし文化センター連尺町内展示


(ササキユーイチ)
場所:たけし文化センター連尺町内展示


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